完全同居型の二世帯住宅でプライバシーを守り、洗濯と室内干しが楽にできる間取り

完全同居型の二世帯住宅で室内干しできる間取り

お悩みレベル★☆☆☆☆「自分に合う間取りが知りたい!」相談事例

みゆう間取り相談室ではご夫婦のどちらかの片親と同居する完全同居型の間取りご提案依頼が増えています。今回の間取り相談依頼は「奥さんのお母さんと同居予定」のTさん。契約予定の住宅メーカーではあまり間取り提案に力を入れていないので自分たちに合う間取りが分からなくて不安だったそうです。

今現在、親世帯との同居はしていないからか、事前ヒアリングではTさんの「二世帯住宅」の話題は少なく、奥さんとしてはお母さんとご主人が気をつかわずに済む家にしたい、そして洗濯や片付けなど家事負担を減らせる家にしたいとのことでした。

それでは、完全同居型の二世帯住宅でお互い気をつかわずに済み、かつ双方が家事がしやすい家とはどのような家なのでしょうか。

二世帯住宅の安心・家事ラク間取りのポイント
  1. 子世帯にも小さなリビングを設ける
  2. 子世帯の洗濯物を2階のフリースペースに干せる
  3. 日当たりの良いフリースペースで洗濯物を畳む、アイロンをかけるという作業ができる
  4. 上下で個室が重ならない

そこで、子世帯フロアの2階にサブリビングのある間取りをつくりました。

2世帯住宅の子世帯フロアの間取り

それではこの間取りができるまでの相談の流れをご紹介します。

提案間取りをすぐに見たい方はこちら

用語:完全同居型の二世帯住宅

完全同居型の二世帯住宅とは、主に「キッチン、洗面所、お風呂、トイレなどの水回り」を共有した二世帯住宅のことを言います。それに対し、それらの水回りを親世帯と子世帯両方に設けた二世帯住宅を「完全分離型二世帯住宅」と表現します。法的な定義ではなく、一般的に使われる表現です。

Tさんが間取り相談を依頼した理由

まずは、Tさんが間取り相談を依頼した理由を伺いました。

間取り相談を依頼した理由
  • 安さが魅力で間取りに注力しない住宅メーカーであり、基本間取りを作成してほしい
  • 家事が楽にできる家にしたいから

Tさんが契約予定の住宅メーカーのように「好みの間取りを持ってきてくれたら土地に合わせて間取りを作ります」という住宅メーカーは少なくないようで、みゆう間取り相談室には基本間取りを作ってほしいという依頼もあります。

それでは、Tさんに回答してもらったヒアリングリストの一部を見てみましょう。

Tさんの間取りの要望

Tさんの間取りの要望をまとめてみました。

建物の要望
  • 明るい日差しの入る家にしたい
  • 前面道路の人通り(目線)を気にせず過ごしたい
間取りの要望
  • 1階にLDK、母の部屋(ベッドを使用するので洋室)、土間収納。2階に主寝室と子ども部屋2つ、書斎。
  • 家事動線を良くしたい。洗濯物を干す場所の近くにアイロン台、タオルとか畳める作業スペースがあるといい。
  • 妻:家族がテレビをみているときに勉強できる場所(書斎)が欲しい
  • 洗濯物は畳まずにハンガーにかけたまま収納したい。
  • キャンプ用品等を置く土間収納は広めにしたい。
  • 母の部屋の近くの庭に小さな家庭菜園を作りたい。

みゆう間取り相談室ヒアリングリストの回答

それでは「みゆう間取り相談室」ヒアリングリスト回答の一部を見てみましょう。


新しい家でどのような暮らしがしたいですか?

家事が楽な家にしたい。食洗器が欲しいし、洗濯物を畳まずに主にハンガーにかけたまま収納したいです。庭かバルコニーでBBQができたら良いな・・・。


洗濯物を干す場所は?

今は脱衣所(洗面所)に干すのが8割。乾きにくいものだけバルコニーで干しています。ガス衣類乾燥機乾太くんが欲しいです。


新しい家でも使用するお手持ちの家具の種類、サイズを教えてください。

母の部屋に着物用タンス、シングルベッド。着物を収納するスペースがあればタンスを入れなくても良い。


収納の条件はありますか?

ウォークインクローゼットはあまり好きではないです。


みゆう間取り相談室はオンライン相談前に約30項目の質問に答えてもらっています。たくさん書く方が良い間取り提案に繋がりますが、書けない内容はそこまでに深く検討していなかったことでもあるので、オンライン相談で掘り下げて聞いていきます。

それでは、オンライン相談に入りましょう。

間取りのオンライン相談

オンライン間取り相談はZoomなどを使用して1~2時間程度行っています。事前に回答してもらったヒアリングリストから気になる点を少しずつ聞いていきます。

それではTさんご夫婦に質問していきましょう。

1.お母さんと同居する上で気になることはありますか?

Tさん
Tさん

母が家を探す時期に家を建てることになったので同居することになりました。主人とお母さんが気を使わなくても良い家にしたいです。

みゆう建築士
みゆう建築士

今の家と同じように洗面所で洗濯物が干したいですか?乾太くんを使うとなると衣類乾燥のメインは洗面所になりそうですね。また、お母さんに家事を頼る、洗濯物を頼るというイメージはありますか?もし別に洗濯をするのであれば、お互い気を使わない物干しスペースが必要ですね。

Tさん
Tさん

たまに洗濯を頼むことはあるかもしれませんが、基本的には別々に洗濯すると思います。でもそのようなことを考えてなかったですね・・・。確かに干す場所はお互い気を使わない場所にしたいです。

2.書斎について、どのような使い方にしたいか教えてください。

Tさん
Tさん

お母さんがリビングで、主人が寝室でそれぞれテレビを見ている時間などに一人集中して勉強などができる部屋が欲しいなと思っています。

みゆう建築士
みゆう建築士

なるほど。例えばテレビですが2階にテレビが見られるサブリビング的な部屋を設けるのはいかがですか?大人がそれぞれ気をつかわずに過ごせる場所があると良いですよね。

Tさん
Tさん

それは良いですね!寝室にテレビを置くとどちらかが寝ていたいときに、また子どもと一緒に寝ている時期はテレビが見られないなと思っていたので。それならテレビにこだわらずに休日過ごせる場所として使えますね。

Tさん
Tさん

サブリビングがあれば、書斎が無くても夫婦お互いの居場所が確保できるかもしれません。子どもが小さいうちは子ども部屋を書斎として使っても良いかもしれません。

3.ウォークインクローゼットが好きでない理由を教えてください

みゆう建築士
みゆう建築士

ウォークインクローゼットがあまり好きでない理由を教えてください。また壁一面のクローゼットの扉開閉はあまり苦痛だとは思いませんか?

Tさん
Tさん

ウォークインクローゼットは歩くスペースの分収納スペースが減るし余分なものを置いてしまう可能性があるのであまり好きではありません。クローゼットの扉開閉に関してはあまり気になりません。その分洗濯物干しでハンガーにかけて乾いたらそのまま衣類を収納できるようにしたいです。

なるほど!分かりました。それでは間取りを作成します。

完全同居型の二世帯住宅でお互いが快適に過ごせる間取りをご提案!

オンライン相談では駐車スペースと車の使用頻度、リビングダイニングとお母さんのお部屋との関係について伺いました。まだ経験していない二世帯住宅の生活なのでイメージできていないことも多かったようですが、ヒアリングに答えることで少しずつ家のイメージが整理できたと思います。

そこで今回は2つの間取りを作成しました。

A案の特徴
  • リビングダイニングの奥にお母さんの部屋がある
  • お母さんはリビングに出やすい
  • キッチンや洗面所、水回りの動線が短い
  • 2階は要望通り+主寝室の隣にサブリビングを設置

B案の特徴
  • お母さんの部屋は独立して廊下から入れる
  • LDKが奥まった位置にあるので落ち着く空間に
  • 2階にフリースペースを作り、洗濯物を室内干ししたり畳んだりアイロンがけができるスペースがある。
  • 2階バルコニーでBBQをするときに使える2階手洗いがある
  • 書斎は設けていないが主寝室の隣にサブリビングを設け、子ども部屋はA案より広め

それではそれぞれの案をご紹介します。

LDKの奥に親世帯の部屋があるA案

完全同居型の二世帯住宅の間取りA案1階
完全同居型の二世帯住宅の間取りA案2階

リビングダイニングを経由してお母さんの部屋、洗面・浴室に入れる間取りです。この間取りのメリットは比較的家で長い時間過ごす可能性の高いお母さんがリビングに出やすく過ごしやすいこと。南側の道路からの視線が気にならないように、との要望があったのでお母さんの部屋には縁側を設けました。家庭菜園をするときにちょっと休憩で腰掛ける縁側があるイメージを持って間取りを作りました。この縁側にお母さんの洗濯物を室内干しすることも可能ですね。

2階には要望の部屋に加えてサブリビング、広めのバルコニーも設けています。二世帯完全同居型の家なので、夫婦それぞれの居場所を2階に確保しました。

2階に日当たりの良い室内干しスペースを設けたB案

完全同居型の二世帯住宅間取りB案1階
完全同居型の二世帯住宅の間取りB案2階

親世帯(お母さん)の部屋を独立させ、玄関から直接入れて洗面所も廊下から入れるようにした間取りです。LDKは玄関から奥まった位置にあるので落ち着く空間になりますが、個室が2階の子世帯からはリビングが少し遠い印象があります。

また、2階に上がった南側を少し広いフリースペースにして、室内干しができるスペースを確保しました。その分書斎が無いのですが、フリースペースは日当たりが良いので状況に応じてファミリーデスクを設けるという方法もあります。

完全同居型の二世帯住宅でプライバシーを守る間取りのポイント

ご提案したA案、B案共に暮らしやすい間取りになりました。それでは完全同居型の二世帯住宅でプライバシーを守れる間取りのポイントについて紹介します。

サブリビングのある間取り

日当たりの良いリビングのある間取り
日当たりの良いサブリビングのある間取り

2階の日当たりの良い位置にサブリビング、また広めのバルコニーを設けているので子世帯は2階でもゆっくり過ごせます。

キッチンや洗面所などの水回りをすべて共有する完全同居型の二世帯住宅では、どちらかが家事をしているときにゆっくりリビングでテレビをみるのも気をひけるかもしれません。

1階のリビングも2階のサブリビングも南面にあり、どちらも日当たり良く快適に過ごせる点もお互い気をつかわなくて済むでしょう。

夫婦でお互いの居場所が作れる間取り

二世帯住宅の子世帯で夫婦のそれぞれに居場所を設けた間取り

奥さんからすると実の母親との同居なので気をつかわなくて良いように思われますが、おそらくお母さんとご主人との間で気をつかうことがあるでしょう。家ではできるだけ気をつかわずに過ごしたいですよね。そのため2階でテレビが見られるサブリビングと書斎を設け、それぞれの位置を少し離しました。

親世帯と子世帯の関係だけでなく、夫婦もお互い気をつかわず過ごせるのも二世帯住宅で大事な点だと思います。

親世帯の上に子世帯の個室を設けない

親世帯の上に子世帯の個室を設けない1階
親世帯の上に子世帯の個室を設けない2階

子世帯と親世帯の生活時間帯が今後ずれていく可能性もあります。子世帯は夜遅くまで起きているけれど、親世帯は早くに就寝する。その時に上階の音が気にならないようにB案ではお母さんの部屋の上は個室にならないように配慮しました。

そのような状況になったときはサブリビングを使う時間帯や使い方を変えればよいので、少しでもお互いが不快にならない間取りにしています。

二世帯住宅で家事も楽にできる間取りのポイント

洗濯のしやすい家

次に完全同居型の二世帯住宅で家事ラクに暮らせる間取りのポイントについて紹介します。

誰が洗濯をする?どこで洗濯物を干す?

完全同居型の二世帯住宅で家事はほぼ一緒に行う場合でも洗濯物だけはそれぞれ別に洗い、別の場所に干すケースは多いのではないでしょうか。Tさんの場合もそれぞれで洗濯をすると思う、と言われていました。

衣類乾燥機や浴室乾燥機を使うかもしれませんが、それ以外で室内干しができるパターンをいくつか考えてみました。

親世帯の洗濯物を干す場所

二世帯住宅親世帯の室内干しスペース

洗濯物の量がそれほど多くないお母さんは衣類乾燥機を使わず自分の部屋の近くに干すことも多いのではないかと思いました。

A案では親世帯の個室前に縁側を設けたので、このスペースに室内干しできます。もちろん天気の良い日は縁側の外に外干しをしても良いですね。

子世帯の洗濯物を干す場所

二世帯住宅、子世帯の日当たりの良い部屋干し空間

B案の子世帯フロア(2階)には階段上にフリースペースを設けました。南に面しているので日当たりも良く洗濯物もよく乾くでしょう。バルコニーに面しているので外干しもOK。シーツやバスタオルなど大物だけバルコニーで干すとしても、室内干しスペースとすぐ近くなので取り込み作業も楽にできますね。

フリースペースに作業台を兼ねたカウンターを設け、アイロンがけやタオルを畳む作業もできます。干した洗濯物は各部屋のクローゼットに入れればよいので衣類を片付けやすい間取りでもあります。

片付けやすい収納のある間取り~必要な場所に必要な収納を!

Tさんの家は水回り(キッチン・洗面所・お風呂・トイレ)が1階にあるので、それぞれの場所で必要なモノが1階で収納できた方が良い間取りになります。A案とB案それぞれの収納の工夫を紹介します。

A案1階の収納の工夫

A案1階の片付けやすい収納

キャンプ用品や釣り具などが多い、壁掛けで自転車を収納したいというご主人の要望に答えた玄関収納を考えました。

洗面所には洗濯機の背面に衣類収納を。浴室乾燥機や衣類乾燥機で乾燥させた日常着はそのままこの収納に。片付けがとても楽になりますね。

ホコリが落ちやすい洗面所、すぐ掃除したいLDKの近くには掃除機や洗剤などのストック用の収納も設けました。

B案1階の収納の工夫

B案1階の片付けやすい収納

B案では玄関に下足箱やコート掛けをつくりました。玄関で身支度を整えられるのがメリットです。玄関収納(シューズクローゼット)にはキャンプ用品を主に入れる想定です。これは何がどれくらいあるかTさんに把握してもらうためにA案と違いを出しました。

洗面所は少し広くして、背面に作業台兼収納を設けました。お母さんが洗濯物を畳む作業にも使えますね。

間取り提案後、Tさんのご感想

間取りを見たTさん、少しずつ違いのあるA案とB案を見て今までになかった視点に気づいてとても喜んでくれました。

Tさん
Tさん

間取り提案ありがとうございました!
私たちの希望や状況を細かく聞いて下さって、ご提案はどちらもワクワクする間取りでした。

土間の収納と2階の手洗いもとても良いですね!母の部屋が独立していて、2階に洗濯物が干せる間取りが気に入りました。サブリビングはとても良いと思います。自分たちになかった視点でアドバイスをいたただけて、とても参考になりました。

完全同居型の二世帯住宅で家事ラクな家を建てるには?

家事動線の良い間取り

完全同居型の二世帯住宅と単世帯の住宅の大きな違いは、それぞれの世帯が同じ場所で家事をすることです。全てまとめてどちらかが行う場合は単世帯住宅と変わらない間取りでも良いと思いますが、洗濯は個別に行うケースが多いのではないでしょうか。

完全同居型の二世帯住宅と言ってもその関係性はその家族によります。夫婦の間でもお互い気づいていない意見があるかもしれません。

Tさんはご夫婦でオンライン相談を行いましたので、夫婦お互いの思いも引き出してこの間取りが生まれました。この先お母さんも含めて家づくりを進めていくことと思いますが、まずは夫婦の家づくりのイメージができたと思います。

ヒアリングを通して、自分たちにとっての家事ラクな暮らしのイメージを整理したい方は、ぜひ「みゆう間取り相談室」にお問合せくださいね。

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